文字起こし
彼女は自分の血液に細菌を駐射していた。わざと傷口を開き、感染症を繰り返した。何度も救急反送された。でも彼女は死にたいわけじゃない。病気になりたかったのだ。医者の前でだけ彼女は愛されていた。
この症状は18世紀の実在の人物にちんで名付けられた。ホラ吹き弾爵ミューヒハウゼン。ありもしない冒険団を語り続けた男だ。原因は脳の報酬系同場や注目を受けるとドーパミンが分泌される。その
快感に依存すると脳は病気でいることを報酬と認識し始める。健康よりも病気の方が脳にとって気持ちいい状態になる。さらに恐ろしい変異型がある。代理ミュンヒハウゼン症候群。自分ではなく
自分の子供を病気にする。子供に毒を飲ませ病院に駆け込み、献心的な母親として道場を集める。最大のパラドックス。この患者は治りたくない。治ると注目が消える。だから検査をすり抜け、症状を捏造し、
病院を点々とする。病気が彼らのアイデンティティになっている。有費ハウゼン症候軍。病気を予想い自らを傷つけてまで医療者の関心を求める虚偽性障害。人は誰でも注目されたい、認められ
たい。その欲求が暴走した時、自分の体すら壊す。求めているのは治療じゃない。誰かに心配して欲しいだけだ。大切な人に送ってあげて。
